「面談の進め方」というような「方」=“How to”な言い方は、死ぬほど嫌いであるが、
新しく面談に来られる方々のために
また
今、面談に来られている方々がそもそもの来談の原点を見直すために
今回、敢えて記しておこうと思った。
ご参考になれば幸いである。
まず何よりも、言わずと知れた当研究所の面談の基本姿勢は、「情けなさの自覚」と「成長への意欲」である。
よって面談は、クライアントが自分自身についてどこをどう情けないと思っているか、という「情けなさの自覚」の独白から始まる。
言わば、自分で自分の問題提起をしていただくことになる。
私に言われて、ではなく、まず自分から、自分の問題を取り上げることに大きな意義がある。
これがないことには面談が始まらない。
実際、ちゃんと自分を見つめれば、1週間の間でも、「できなかったこと」「やらかしたこと」の三つや四つはすぐに見つかるはずである。
そして私はその独白を伺いながら、それが問題の核心を突いているか否か、それが浅いか深いか、などを観通して、フィードバックして行くことになる。
そうやって二人で「何が本当に問題なのか」を明らかにして行くわけである。
それが明確になって来ると、次にその問題をどう解決して行くか、どう乗り越えて行くか、という話になる。
問題を見つけただけでは何にもならない。
そこで下を向いてお通夜のように過ごしても何も変わらない。
「で、どーする?」
の段階に進んで行くわけだ。
その根底に「成長への意欲」が働いていることは言うまでもない。
それについても、まずご本人の解決策、突破策を伺う。
実際にこう言ってみました、こうやってみました、でも良い。
(思いつくところからで構わない。何よりも自分で考えてみるという姿勢が大事なのである)
そして私はそういった案を伺いながら、それが本当に問題解決につながるか否か、それが浅いか深いか、などを観通し、フィードバックして行くことになる。
そうやって二人で「どうやって解決し、成長して行くか」という道を見い出して行くわけである。
こういうことを毎回繰り返すことによって、何を目指しているかというと、
自分ひとりで、自分の問題の核心を掴み、
自分ひとりで、本当に有効な解決策を見い出せる
ようになっていただくことである。
かつてホーナイが唱えた「自己分析」の本質がここにある。
クライアントのセラピスト(精神分析家)による被分析体験が、クライアントが自己洞察し、自己成長して行く力をはぐくんでいくのである。
もちろん上記のことが最初からスムーズに進んで行くわけではない。
必要な試行錯誤を繰り返しながら進んで行く。
むしろその試行錯誤に意味がある。
また、「自己分析」する力を付けるには(面談頻度にもよるが)最低、年単位の時間がかかる。
可能な範囲で構わないので、必要な時間をかけ、肚を据えて、取り組んでいただきたいと思う。
それであなたの人生が変わるならば、
少しでもあなたが本当のあなたを生きることができるようになるのであれば、
本気になってやってみる価値があると思いませんか?