今日は令和6年度2回目の「八雲勉強会」。
近藤章久先生による「ホーナイ派の精神分析」の勉強も前回に続いて2回目。
今回も、ホーナイの本質をとらえ、しかも、わかりやすい筆致は流石である。
以下に参加者と一緒に取り組んだ部分を挙げるので、関心のある方は共に学んでいただきたいと思う。
入門的に、かつ、系統的に学んでみるチャンスです。
(以下、表記に多少古いものも含まれるが敢えてそのままに掲載した。また斜字は私の加筆である)
A.Horney(ホーナイ)学派の精神分析
2.神経症の生成と発展
a.基礎的不安 basic anxiety
しかし、幼児がF、この世に生を受けた時、必ずしも良好な条件の中に生れ出て来るものばかりではないばかりか、良好でない条件は数え切れない程あるのである。しかし、窮極するところ、幼児を取り囲むその環境に於ける人々の態度が問題である。それらの人々自身が神経症的であり、神経症的な要求や反応を示すとすれば、それは自(おのずか)ら幼児に影響する訳である。
例えば、親が保護し過ぎたり、脅迫的であったり、依怙(えこ)ひいきをしたり、焦々(じりじり)し勝ちであったり、権威的であったり、やかましやであったり、無関心であったり、偽善的であったり、不安であったりする時、それらの態度は幼児の成長に対して影響を持たざる得ない。
それらの態度の結果として、幼児は何かしら安全感を持てなくなる。幼児は深い不安と漠然とした恐れを体験する。彼は何か、自分に対して敵意をはらんでいる世界に住んでいると感じるのである。
そこで彼は一人ぼっちにされ、無力だと言う感情を持たざるを得ない。これが、こうした状態に於いて感じるものであり、Horney が基礎的不安 basic anxiety と呼んだ感情である。