普通は、生まれてから死ぬまでが一生と思っている。
常識的な考えである。
しかし、そうではないことを私は師から学んだ。
ほとんどの人は、夜になって眠るとき、明日の朝必ず目が覚めると思っている。
しかし実は、その保証はない。
その証拠に、私のまわりにですら、そのまま目が覚めなかった人がいる。
そう思うと、毎晩眠るときに死に、朝になってまた生まれ直す、と考えた方がいいのかもしれない。
「おはよう。」「Good morning.」という朝の挨拶は、今日もこうして生かされて逢えましたね、というお互いの生の讃嘆である。
そうなると、一日が一生となる。
さらに、呼吸法をやっていると、
ひと息ごとに
吐いて吐いて吐いて
(吸うというより)入って入って入って
をじっくりと体験する。
即ち、吐いて吐いて吐いて吐き尽くして死に
入って入って入って満たされて生まれ直す
という感覚がして来る。
そうなると、ひと息が一生となる。
なんとなく呼吸して
なんとなく一日を生きて
なんとなく一生を生きるのもいいけれど、
ああ、今を生きてるなぁ
ああ、まぎれもなく自分を生かされてるなぁ
と感じながら
一回だけの人生を
一日しかない今日を
二度と戻らない今を
生きていければ
生きることがどんなに濃いものになるだろうかと思う。
ときどきでいいから、この感覚に戻ってみることを私はあなたにお勧めしたい。