第一生命経済研究所によれば、いわゆる「ママ友」が一人もいない「ママ友ゼロ」の人は、20年前に約6%であったのが、最近は約半数にまで増加しているという。

皆さんはこれを聞いて、どんな想いを抱かれるであろうか。

そもそも何をもって「友だち」というか、という問題については、以前にも触れたことがある。
「どうでもいい話をしながらお茶かランチ、たまに飲みに行くだけの女子仲間」「仮面と仮面レベルでの演技的お付き合いの相手」「園や学校の情報源として活用するための顔見知り」などのことを「友だち」と言っている方が多いような気がする。
私に言わせれば、それは「友だち」ではなく「知り合い」である。

少なくとも私は、演技でなく本音で、仮面でなく直面(ひためん)で深い話をすることができ、大事な価値観が一致し、相互に信頼できる相手でなければ「友だち」とは呼ばない。
そうなると、そういうレベルの「友だち」がたくさんできるとも思えない。
子どもの園や学校を通じて一人できれば、むしろ上々であろう。
そう思うと、「ママ友ゼロ」が約半数というのは当然、いや、もうちょっと多くてもいいのではなかろうか。

時に「ママ友」に関して、子どものために園や学校の情報から切り離されることを心配するお母さん方がいらっしゃるが(そのために本当はくっだらないと思っている関係性を維持している場合もある)、そういう場合は、忙しいお母さん仲間たちに声をかけ、最初から「園/学校の情報共有のためだけのネットワーク」を作りましょう、と動い方がいた。
賢明な戦略だと思う。
「情報共有のためだけ」というところがポイントであり、最初から「知り合い」レベルの付き合いとわかっている。

そして最後に、心からの期待を持って付け加えるならば、「ママ友」レベルを超えて、世界中の人に否定されても自分たちだけは信頼し合え、支え合えるような「親友」レベル(=「ママ親友(まぶだち)」)の出逢いがあれば、これ以上の僥倖はないと言えよう。

 

 

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