2014(平成26)年4月4日(金)『テスティング』
わざと相手がイヤがるようなことをして、それでも相手が自分のことを愛してくれるかどうかを試すことをテスティング(testing)という。
通常の発達段階で、子どもが親に対して行うこともあるが、そのままの自分を愛されずに育った人であれば、何歳になっても、自分にとって大切な人に対して繰り返し行う可能性がある。
いわゆる神経症圏やパーソナリティ障害(人格障害)では、定番の“症状”のひとつでもある。
これは本当に面倒くさい。
どんなことをされても、果てしなく「いいよ、いいよ。」と許すわけにはいかないし(必ずやることをエスカレートさせてくる)、
かといって、少しでも非難しようものなら「やっぱり私のこと、愛して(信じて)いないんだ。」とスネるかカミついて来るに決まっている。
そんな相手に出逢ったときの私の答えはひとつ。
「あなた自身は信用できるけど、あなたに埋め込まれたものは信用できない。」
言い換えれば、「本当のあなた(=あなたの中の『真の自己』)は信用できるが、ニセモノのあなた(=あなたの中の『仮幻の自己』)は信用できない」ということだ。
ニセモノの自分によるちょろまかしのゲームに巻き込まれるわけにはいかない。
こころから愛されたければ、信用されたければ、他でもない本当のあなたで生きていこう。
そのために本気で変わりたい、成長したい、という時機が来て初めて、セラピストの出番がやってくる。