2011(平成23)年3月11日(金)『東日本大震災』
私は大丈夫です。
あなたは大丈夫ですか?
私は大丈夫です。
あなたは大丈夫ですか?
本日、製本された『私家版 八雲便り』が届いた。
近藤先生の本を出版する際にも味わったが、何度経験しても、出来たての本を初めて開くときの気持ちはなんとも言い難く良いものである。
九十七頁の薄くて飾り気のない本。
部数も二百しか刷っていない。
本当に自分自身を見つめ、成長を願っている方に届くものにしたかった。
本棚に蔵されるよりは、求める人たちの手から手へ読まれる本であってほしいと思う。
ひとつの工夫は、イラストレーターのSさんにお願いして、一点の華を挿(はさ)むことにした。
こういう知己がいて下さったことに感謝したい。
購入された方はお楽しみに。
関心のある方はホームページの案内を参照されたし。
昨日、念願叶って、山口の周防大島(屋代島)に渡った。
亡師・近藤先生が生まれ育った島である。
大畠から大島大橋を渡り、周防大島へ。
折りしも防予汽船が通りかかり、大畠瀬戸を大型船がゆっくりと静かに進んでいく風情はいかにも瀬戸内らしい。
まずは島の北周りの道を進み、久賀から土居へ。
この辺りは、近藤先生の奥さまがナポリよりも世界のどの風景よりも美しかったと言われた海岸線である。
子どもの頃、毎夏、同じ瀬戸内の蒲刈島で泳いでいた私は、かつて環境汚染で緑色に濁った海を想像していたが、その海の透明度に驚いた。
最近の瀬戸内海は綺麗になったと聞いていたが、そのためなのか、元々ここの海が美しいのかは知らない。
そこから南下し、トンネルを抜けて、島の南側、安下庄(あげのしょう)に出る。ここが近藤先生の育った場所だ。
なるほどいかにも海に飛び込みやすいポイントが見える。
振り返って、あの祀りの山、嵩山(だけさん)を仰ぎ見る。
浜辺へ降りる。
どこまでも穏やかな波、のんびりとした海鳥の鳴き声、ほのかな磯の香り、そして傾いてきた陽射しに金波銀波がキラキラと揺れる。
時間がとまったような世界。
私の知っているのとは別の瀬戸内海がそこにあった。
衝動抑えがたく海水を掬(すく)って飲み、貝殻を拾って、車に戻る。
橘から沖浦を経て、今度は島の南周りに、大島商船工専前を通って、大島大橋に帰った。
お土産は、大島の味噌と海鼠(なまこ)とこのしろのおから鮨。
実に実に好い日であった。