2013(平成25)年10月14日(月)『青虫物語 EpisodeⅡ』
◆昆虫の苦手な方は閲覧をご遠慮下さい。
先月のこと、庭に出ていたら、ひらひらと飛んできたナミアゲハが目の前のルー(ハーブの一種、ミカン科)の葉にとまって卵を産み付けた。
そうなると何故か自分に卵を託されたような気になって、今年もまたナミアゲハの飼育が始まった。
そしてその母ナミアゲハが飛び去った後、5個の卵を葉っぱごと室内に取り込む。
やがて4匹の幼虫が孵化(ふか)したが、1つの卵はかえらず、早くも“生きていく”ということの難しさを感じる。
専門家によれば、100個の卵のうち、蝶になれるのは1匹だけだという。
そしてお世辞にも可愛いとは言えない黒地に白V字の4匹の幼虫は、4回の脱皮を繰り返し、1齢幼虫 → 2齢幼虫 → 3齢幼虫 → 4齢幼虫から、ようやく緑色で可愛いらしい(と私は思う)終齢幼虫となった。
この間、餌となる柑橘系の新しい葉の補給が大変である。
そして4匹すべてが蛹化(ようか)し、立派な蛹(さなぎ)となった。
しかし、喜んでいたのも束の間、哀しい事件が起こる。
4匹のうち3匹が寄生バチにやられ、蛹のままかえらなかったのである。
毎回葉っぱは洗ってから与え、去年はすべての蛹が羽化できたのに…。
残りの蛹はたった一つ。
“生きていく”ことは当たり前ではないのだとつくづく思う。
ここまで来て、できることは見守ることのみ。
そしてある早朝、見ると、羽化したばかりのナミアゲハが枝にとまっていた。
よしっ!!!
それから飛べるようになるまでの3時間、手にとまり(手乗りナミアゲハはとても可愛い)、バラの花にもとまらせ、そのときを待つ。
やがて窓を開け、ナミアゲハを手に乗せたまま外に出ると、待っていたかのように一陣の風。
ふわっと宙に舞ったかと思うと、一気に高く飛び立って行った。
振り返らずに、まっすぐ飛んでいくさまが良い。
これからあと2週間の命。
ナミよ、生を謳歌すべし!
これで今年の長い夏が終わったのである。