今までの『兵法家伝書(1)』『兵法家伝書(2)』に続いて、『兵法家伝書(3)』をお届けする。

「一太刀(ひとたち)打ってからは、はや手はあげさせぬ也(なり)。打ってより、まうかうよとおもふたならば、二の太刀は又敵に必ずうたるべし。爰(ここ)にて油断して負(まけ)也。うった所に心がとまる故、敵にうたれ、先(せん)の太刀を無にする也。うったる所は、きれうときれまひと、まま、心をとどむるな。二重、三重、猶(なお)四重、五重も打つべき也。敵にかほをもあげさせぬ也。
(最初の太刀を打ってからは、最早相手に(反撃の)手を上げさせてはならない。どうしようかなどと思っていたら、二の太刀をまた敵から必ず打たれてしまう。ここで油断して負けとなる。太刀を打ったところに心がとどまっているから、敵に打ち返され、最初の太刀を無駄にするのである。(太刀を)打ったところは、斬れようと斬れまいと、そのまま心をとどめてはならない。二の太刀、三の太刀、さらに四の太刀。五の太刀も入れるべきである。敵に顔を上げさせない(くらい続けて打ち込む)のである。)


これについては、私も申し上げて来たことがある。
従順で抑圧が強く、何も言い返せなかった人がいたとする。
その人がようやく言い返せるようになった。
しかし頑張ってひとこと言い返したのは良かったが、相手からさらに攻撃を喰らい、あえなく撃沈、という場合がある。
そういう時は、最初から、二の矢、三の矢を継ぐ気持ちで言うべし、と繰り返し申し上げて来た。
ボクシングでも、こちらのパンチが当たったら、相手が完全にマットに沈むまで、手を止めず、次々とパンチを繰り出せ、というそうだ。
流石、実際の斬り合いを経て来た新陰流である。
斬るときは徹底的に斬る、斬り切る。

 

 

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