子どもの不登校の相談で、お母さんが精神科の外来を受診して来られる場合がある。
お子さんの話を伺うわけであるが、お聞きしているうちに、段々とお母さん自身の話も出て来ることになる。
その中に、お母さん自身の未解決の問題があれば、それを解決していくことになるし、特に問題がない場合でも、人間である限り、何らかの成長課題があるわけで、母親として、妻として、嫁として、娘として、働く女性として、そして自分自身としての成長課題があれば、それも重要な話題となる。
特に私のように、「治療」と「成長」を同一延長線上のものと思っている人間にとっては、それが必然の展開である。

そうすると、面白い現象が起きて来る場合がある(あくまで「場合がある」である)。
お母さんが解放されて、変化・成長して来られるのである。
それに子どもが気づく。
そういうところは子どもは極めて敏感である。
そうなると、どんな医者なのか、興味を持って来る。
そして、しば~らく経った頃、不意にお母さんと一緒に外来にやってくることがある(これもあくまで「ことがある」だが)。
そこに至るまで、本人に会わなくても、伝わっていくものがある。

同様のことが、引きこもりの青少年の往診に行くときにも起こる場合がある(あくまで「場合がある」である)。
往診に行っても本人は出て来ない。
そこでお母さんとお話することになる。
ここでも、お子さんの話を伺うわけであるが、お聞きしているうちに、段々とお母さん自身の話も出て来るようになる。
その中に、お母さん自身の未解決の問題があれば、それを解決していくことになるし、特に問題がない場合でも、人間である限り、何らかの成長課題があるわけで、母親として、妻として、嫁として、娘として、働く女性として、そして自分自身としての成長課題があれば、それも重要な話題となる。
そして何度も往診を重ねるうちに、笑い声や涙声が出て、それが部屋に閉じこもっている子どもの耳に届いたりする。
また、医者が往診から帰った後に、本人が母親の変化に気づく。
そういうところは子どもは極めて敏感である。
そうなると、ここでも医者に興味を持って来る。
そして、しば~らく経った頃、陰から医者とお母さんの様子を見に来たり、不意に話している部屋に入って来たりすることがある(これもあくまで「ことがある」だが)。
そこに至るまで、本人に会わなくても、伝わっていくものがあるのである。
(上記の「医者」を「訪問看護師」に、「往診」を「訪問看護」に変えても、同じ話になる)

現実には、そんなに簡単に事は運ばないことも重々承知しているが、上記のような場合が(稀でも何でも)実際にあるということを知っておいていただきたいと思う。

 

 

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