面談に来られている人が、早めに着いたので、近くの公園のベンチに座って、時間調整をしていたという。
すると、公園の端っこで、小学校低学年くらいの女の子と若いお父さんとがバトミントンをしているのが目に入った。
小さな女の子の打つシャトルは不安定で、どこに飛ぶかわからず、その度にお父さんは大忙しで飛び回る。
しかし毎回、子どもが打ちやすいところに優しくシャトルを返していた。
それでもお父さんがシャトルを取りそこなうと
「パパ、ちゃんと取ってよぅ。」
と女の子が文句を言う。
「ごめん、ごめん。」
と笑いながら答えるお父さん。
とんでもないところに打った娘が悪いはずなのだけれど、自分の非として受け入れるお父さんの笑顔に愛がある。

それを見ていて涙が出ました。
小さい頃から、私の方がいつも親の不安定な言動に合わせて、カバーして、フォローしていました。
まともな親子はそうじゃないんですね。
あのお父さんのように、親は、子どもが気づかなくても、子どもに合わせ、子どもの非まで引き受け、子どもが楽しく過ごせるようにしてあげるんですね。
うちの家庭は逆でした。
親の失態まで私のせいにさせられていました。

もちろん親は親で、働いてお金を稼いだり、御飯を作ったり、着るもの、寝るところを用意したりと、何もしなかったわけではない。
いや、むしろ相当に頑張ったかもしれない。
しかし、金銭的なもの、物質的なものだけでは、子どもは満たされないのである。

あなたの存在を大切に思っている。

衷心からそう思い、それが具体的言動の端々(はしばし)に現れて、相手に沁みるような関係性でないとね。

折角そのことに気づいたんだから
もうそろそろ自分以外の誰かに合わせ過ぎる生活はやめて
せめて自分だけは自分に寄り添う生活を始めて行きましょうね。

 

 

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