今の世の中、「推し活」が盛んである。
夢中になれるものがあることは大変結構なことである。
それに全く異論はない。

そんな中、ちょっと気になるのは、「推し活」を楽しむ前に、あなた自身の個人生活は、仕事は、人生はどうですか?ということである。
それが充実していないと、「推し活」は単なる逃避か、ちょろまかしか、代理満足に堕してしまう危険性がある。
それでは哀しい。

「推し活」しているときだけはイヤなことを忘れられる、というのはよく聞くセリフであるが、そのときだけ忘れても現実はまた帰ってくる。
「推し活」を楽しみつつ、自らの現実生活とも向き合って、現実生活を少しでも生き甲斐のあるものにして行くことが、「推し活」に勝るとも劣らず大切なのではなかろうか。

その意味では、やっぱり一番の「推し」は自分自身なのかもしれない。
それは決して利己的な意味ではなく、まずは世界に一人の私が、一回しかない人生を生きる私が、のびのびと私して生きられるように「推し」て、その上で、私以外の存在の「推し」も成立するのではなかろうか。

自分も「推し」て、相手も「推し」て、「推し推し」の生活はとてもとても豊かなんじゃないかなと思う。

 

 

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