ある当事者の方が書いた文章を読んだ。

統合失調症は、ただ薬を飲んで寝ていれば回復するというものではない、という。

「人薬(ひとぐすり)」、即ち、「人」との付き合い、交流が回復をさせてくれるのであり、

『薬」というのは、あくまで対症療法であって、本当に回復してくれるのは「人」との付き合い、交流である。

そしてその人は、自分は出逢う「人」、周囲の「人」に恵まれていた、と感謝した上で、

人間にとって一番大切なのは、やはり「人間」だと思う。「人」は統合失調症にかかわらず、「人」と「人」との間で磨かれ、鍛えられて「人格」が向上する、と言われる。

本当におっしゃる通りで、頭が下がる思いがした。

この言葉を、精神医療保健福祉関係者には是非知っておいていただきたいと思う。

我々は果たして利用者さんから、自分は「人」に恵まれていた、と言ってもらえるだろうか。

薬や知識や技術だけに逃げないで、それらを隠れ蓑にしないで、あくまで核の核である、人間と人間、人格と人格とで勝負していきたい、と私は切に願う。

 

 

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