昔は都内にいくつものカウンセリングスクールがあった。
近藤先生にも度々講師依頼があったが、割ける時間もなく、
「こういうスクールには核になってやる人が必要なんだよ。」
とよくおっしゃっていたのを思い出す。
時代も変わり、今は国家資格としての「公認心理師」もできたが、「業務独占」とまではいかず、今も無資格の自称「心理カウンセラー」が存在するが、良い意味で、無資格では段々と肩身が狭くなって来ている。
繰り返し申し上げている通り、最低でも「公認心理師」、できれば「臨床心理士」の資格がなければ、どういう教育・経験を積んで来たかに保証がなく、さらに臨床心理士が4年(学部)+2年(修士)の教育課程を終えたとしても、6年間の医学部卒の研修医が何の役にも立てないのと同じように、まだまだピヨピヨのヒヨコに過ぎない。
よって、現代に置き換えて言うと、臨床心理士の資格取得者を対象としたカウンセリングスクールが必要だと私は思っている。
当研究所では、臨床心理士の資格取得者が一人ひとり「人間的成長のための精神療法」を受けに来て下さっているので、些かカバーできているのではないかと思うが、誰かそういうスクールを立ち上げてくれないかしらん、という気持ちもある。
それが難しければ、せめて大学院2年間のうちに、基礎の基礎となる「人間観」「治療観/成長観」「人生観」「世界観」などだけでも叩きこめないかと思う(この基礎があるかないかがカウンセラー/サイコセラピストとしての一生を分けることになると私は本気で思っている)。
結局のところ、要は「スクール」云々という形よりは、人のこころに携わる仕事をしたければ、ホンモノのトレーニング=自分自身を見つめ、自分の問題解決をして行くという成長の経験の場が必要である、ということに行き着くのだと思う。