会社や病院などには、組織としての理念がある。
理念、社是、クレドなど、いろいろな言い方があるが、残念ながら、ただの「建前」になっている場合が多い。
よくて毎朝、朝礼で唱えたりするが、いざ「暗唱して。」と言われると「なんだっけ。」と詰まる人が多く、
中には、入社式でしか会社の理念を見たことがない、という人もいる。
経営者や働く人の本音が、うまいことやって、名利(みょうり)(=社会的評価や金)を得ることなのであれば、それも致し方ないと思う。

しかし、中には、大真面目に理念を考えている人もいる。
本気で、人間観、人生観、仕事(労働)観、企業(組織)観、世界観などについて考え尽くした上で、組織の理念を策定し、迷ったとき、困ったとき、いつもそこに立ち戻って、今目の前の仕事をどうするかを考えられるものを作ろうとするのである。
そしてそれは結局、一人ひとりの生き方にまで関係して来る、

亡くなったAさんが考えた理念がそうであった。
法人の理念を見直すときに相談があった。
この機会に、ホンモノの理念を作って、それを職員に浸透するものにしたいと。
相談を受けながら(余り「私の」理念の影響が入るとマズいので)「Aさんの」理念を大切にし、思いのこもったものができあがった。

そして、これはサイコセラピーやカウンセリングにおいても同じなのだ。
なんとなく病気が改善すればいい、会社や学校に適応できればいい、で職業的にやっている人が少なくない。
本当はその根底に、本気の、大真面目の
人間観、人生観、教育観、仕事(労働)観、世界観がないと、ホンモノのサイコセラピー/カウンセリングにはならないと私は思う。

そう申し上げて、
その通りだと思われるか。
そんなのなんだか面倒臭いと思われるか。

そこを共有できる人たちが、私の、八雲の仲間たちなのである。

 

 

お問合せはこちら

八雲総合研究所(東京都世田谷区)は
医療・福祉系国家資格者と一般市民を対象とした人間的成長のための精神療法の専門機関です。