夕飯は大きなタラバガニだった。
お父さんは一番旨い足の付け根だけを食べ尽くした。
そして残りを妻と二人の息子に与えた。
一事が万事、その調子であった。
数カ月後、妻と息子はいなくなった。
…実話である。
テレビでチョコのコマーシャルを見た。
プレミアムガーナ、ロッテのちょっと高級な季節限定チョコである。
キムタクの食べる様子が映し出されていた。
キャッチコピーは「言葉を失う、劇的一粒」。
これを見て、自分も食べてみたいと思う人は多いのではなかろうか。
そして(自分もまだ食べていないのに)これを食べさせてあげたいと誰かの顔が浮かんだ人は健全であると私は思う。
そして実際にプレミアムガーナを食べた人は是非、キムタクと同じく、目を閉じ、指をピロピロピロと広げ、自分の口に向けた人差し指をクルクルと回してほしいが、
個人的にはそれよりも、プレミアムガーナ食べさせた相手に向かって、指をピロピロピロと広げ、その人の口に向けた人差し指をクルクルと回して、鬱陶しがられてほしいと思う。
愛する照れ隠しに。
※ちなみに私は〈芳醇カカオ〉より白いパッケージの〈芳醇ミルク〉の方が好きである。