極端に簡略化して言えば、光の部分を闇が包んでいるのが、人のこころの実態である。
光が、その人本来のものを指し、
闇が、後からその人に付いたものを指す。
生まれたときは光しかなかったものが、段々と闇が降り積もって来たのである。

そんな状態で、皆さん、面談にいらっしゃる。
さて、どこから手をつけるかであるが、目指すゴールは決まっている。
闇を減じて光が顕わになることである。

そのために、決まったやり方があるわけではない。
払いやすい闇から斬って行くこともあれば、大物の闇から始末することもある。
また、闇ではなく、光の力の増幅から始めることもある。
そうすると、闇が勝手に落ちて行く場合もある。

その闇の部分の処理に精神分析などの知見が役に立つことがあるのだが、そんな闇=精神病理の分析ばかりやっていると、段々元気がなくなって来る。
だからといって、下手にクライアントの我をよいしょしてしまうと、何の役にも立たないどころか、簡単に思い上がってしまう。
よって、相手の我を褒めず、相手の本質を、即ち、光の部分の力を増すのが肝心ということになる。

そして、そのために何ができるかというと、その基本がまさに他者礼拝(らいはい)なのである。
これは何度強調しても強調し過ぎることのない基本中の基本である。

相手の光に対して、相手の生命(いのち)に対して手を合わせて頭を下げる。
こころの中でかまわない。
他者礼拝を繰り返し繰り返し行っていくとき、あなたを通して働く力が、相手の光の力を増幅して行くのである。

相手の光=相手の生命(いのち)への畏敬の念なしに、相手を分析したって、良くなる=本来の自己を実現して行けるようになるわけないでしょ。

いつもいつも、基本の基本、ここに戻ることをどうかお忘れなきように。
 

 

 

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