近所に出かけた途中に、小さな店を見つけた。
「〇〇テーラー」と書かれた、いわゆる「洋服お直し」専門の店である。
間口(正面の幅)は一間(1.82m)ほど、店の中は2畳あるだろうか、という小さな店。
80歳を過ぎたご主人が一人でやっているというから驚いた。
外に料金表が書いてある。
ジーンズ丈 1,000円
丈直し 2.000円
胴まわり 2,500円
など、今どき、欲のない料金設定である。
でも良いよね。
腕に覚えのある職人のおじいさんが、自分の小さな店で、いくつになっても手仕事を続けているなんて。
私もあの年になっても、イス二つだけの小さな事務所で(やはり私には良寛さんの五合庵が理想である)、「洋服お直し」ならぬ「こころお直し」、いや、「こころお育て」の店を続けていたいと思った。
ロンドンのサヴィル・ロウ(Savile Row)に引けを取らない仕事の質への誇りを持ち、
それを果たさせてくれるミッションを感じながら。
あなたの仕事もそうでありますように。