ある匂いにずっと触れていると、嗅覚がその匂いに慣れてしまってわからなくなることを「嗅覚順応」というらしい。
自分の体臭や香水、自分の部屋の匂いなど、思い当たる経験がある方も多いのではなかろうか。
本人は気づかない(気づけない)ものなのだ。
先日のニュースでも、中学生以下の子どもたちを対象とした調査で、他者の柔軟剤や合成洗剤などの生活用品の人工的な香りによって、8.3%の子どもたち(未就学児2.1%、小学生8.9%、中学生12.9%)が吐き気や頭痛などの体調不良を感じたことがあるという。
もしそれを着ている当人が体調不良を感じたとしたら、すぐに脱いで着替え、親にクレームを言うだろう。
幸か不幸か体調不良を感じなかった本人は、着ているうちに嗅覚順応が起こり、わからなくなってしまっていたのである。
この順応って嗅覚だけの話じゃないよね、ということを今日は申し上げたい。
おかしな言動でも、ある一定期間以上行っていると、それが「おかしい」とわからなくなってくる。
自分では気づかない(気づけない)。
だからね、時々信頼できる第三者にチェックしてもらった方が良いのである。
「おれ/わたしの言動でおかしいとこはない?」
それによってあなたは自分自身の問題/課題に気づくことができる。
例えば、サイコセラピストはそのためにいるようなものだ。
かつて80代の近藤先生が当時30代の私に真顔でおっしゃった。
「松田くん、もし僕が間違っていたら教えてくれよ。」
流石である。