♪ひとりじゃないって すてきなことね (昭和歌謡)
ニュースによれば、単独世帯(一人暮らしの世帯)が34.6%に達し、もうとっくに夫婦世帯の20.7%を超えていると報道されていた。
ひと口に単独世帯と言っても、若い人もいれば、高齢者もいるであろう。
一概に論ずることは難しいが、そもそも人類というものが複数存在している以上は、ずっと一人でいるということは不自然なことではないかと思う。
ひどい虐待やDVなどを受けて、もう誰かと暮らすのはうんざり、一人の方が清々する、という方もいらっしゃるだろうが、それがどんな母親であろうと、その母親から産まれなければそもそもこの世に出て来ていないし、少なくとも子どもの頃は誰かに養育されなければ生きて来れなかったはずである。
とにかく、どんな形であろうと、つながって生きるように人はできているような気がする。
と言っても、誰もが誰かと一緒に生きなければならない、というわけでもなかろう。
物理的にひとりでも、精神的に“誰か”といる場合もある。
亡くなったパートナーと一緒に生き続けている人がいるかもしれない。
そうなってくると、人は自分の存在証明となるような人(存在)と生きていたいのではないか、という気がして来る。
ここで話が一段深まって来る。
じゃあ、自分の存在証明がされるならば、それは人によらなくてもいいのかもしれない。
ここでもまた、道元の
「万法に証せらるる」
という言葉が浮かぶ。
「万法に証せらるる」=一切の存在によって自己が証明される
それさえ体験できてしまえば、そもそもひとりじゃないんだもの、最早、単独世帯であろうと何人世帯であろうと、どうだっていことになってしまった。