今日のニュースで、我が国の100歳以上の高齢者(2025(令和7)年9月1日時点)が9万9763人に達した、と報道されていた。

1963(昭和38)年には100歳以上が153人であったのが、この62年間で飛躍的に増え、現在の日本の人口が1億2330万人(2025(令和7)年8月1日推計値)であるから、ざっくり言って、1000人に1人が100歳以上という割合に近づきつつある
いやぁ、寿命は伸びてるなぁ。

…という話から大抵は、ただ寿命を伸ばすだけでなく(平均寿命で、男性81.09歳、女性:87.13歳)、いかに「健康寿命」(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間。男性:72.57歳、女性:75.45歳(2022(令和4)年))を伸ばすかという話に発展して行く場合が多いが、私は別の関連統計が目に付いた。

それは「親を亡くしたときの子の年齢」である。
皆さんは何歳くらいを想像されるだろうか。
第一生命の調査によ
れば、
父親の場合が平均39.1歳
母親の場合が平均46.4歳

であるという。
皆さんの感想は如何?

私は思ったよりも若いなぁと思った。

そこで今日の本題に入ると、親がまだ存命中であるということは、子が自分の死について本格的に考えないで済む、という影響があるということである。
親の生存が、自分の死と向き合うことの防波堤となっているのだ。
ということは逆に、親が亡くなったときから「次は自分の番だ。」という自覚がリアルになってくる。

そして、やがてそこに兄弟姉妹や同期生などの死などが重なって来れば、さらに自分の死が真実味を帯びてくる。

いくら目を背けても、先送りしても、死は万人に刻々と忍び寄っている。
だからこそ、この一回しかない人生をどう生きるかを、できるだけ早いうちから、ちゃんと見つめておいた方が良いんじゃないかと私は思う。

100歳以上の方が増えました。
それは親の余命も伸びたということだ。
しかしそれが却って、自分の死と向き合うことからの逃避を助長することになりませんように。


 

お問合せはこちら

八雲総合研究所(東京都世田谷区)は
医療・福祉系国家資格者と一般市民を対象とした人間的成長のための精神療法の専門機関です。