当研究所の「人間的成長のための精神療法」の「対象」を、医療・福祉系の国家資格者から「一般市民」に再拡大してから1年以上が過ぎた。
有り難いことに、面談申込者の多くは、正確に「対象」=「情けなさの自覚」と「成長への意欲」を理解して申し込んで来られ、再拡大して良かったと思っている。
面談に来ておられる方々は、どこかで私の講演を聴いた、私の講義を受けた、一緒に働いたことのある医療・福祉系の国家資格者の方が多いのだが、そんな中で、この『塀の上の猫』を読んだだけで面談を申し込まれる方が、「一般市民」の中には多く、不思議な縁を感じる。
当研究所は、松田精神療法事務所時代から、気軽な気持ちでわんさか面談申し込みがあるような開業スタイルではないが、申し込まれる方は本気で申し込まれる場合が多く、私としてもやりがいを感じている。
世の中では決して多数派ではないと思うけれど、それこそかつての私がそうであったように、真剣に悩んで、自分の成長課題や問題点を一所懸命に見つめて、成長・突破したいと心から願っている人がいないわけがないのだ。
そんな人がこの世の中にいるはずだ、と思っていること自体が、私の人間というものへの期待である。
この期待は捨てられない。
そんな“仲間”に逢って、共に成長して行きたい、とこれからもずっとずっと願い続けるだろう。