近所のおばあさんから聞いた話。
旦那さんが水虫になったそうな。
市販薬をつけてもなかなかよくならないので、近くの皮膚科を受診した。
すると、出て来た若くて綺麗な女医さんが、患部を素手で触って丁寧に診てくれ、薬を出してくれたのだという。
感激した旦那さんは、水虫はとうに治っているのに、何かとその皮膚科を受診するようになったそうだ。
これも何でも素手で触ればいいというものではなく(感染性のあるものに触ってしまうと自分が感染源になる恐れがある)、白癬菌は触っても洗えば大丈夫なので、その医学的知識があれば、触ることに何の支障もない。
それよりも、私に言わせれば、素手で触るということに精神療法的な意義があるのだと思う。
自分の一部を汚いものを見るかのように、エンガチョ扱いされるのは実に哀しいものである。
触れられるとそこに、現代風に言うならば、分断よりもつながりを感じる。
かつて精神科病院に勤めていたとき、その日不在の医師の患者さんの診察を頼まれたことがあった。
診ると、当時よく見られた接触性皮膚炎であったが、触診した後、手を洗って処方を出していたら、後ろに立っていた看護師さんが独り言のように言った。
「◯◯先生(主治医)は触らないのよね…。」
自慢話をしているのではない。
あなたの小さな子どもに何らかの皮膚疾患ができたら、きっとあなたは触るだろう。
やっぱり人と人とは、分断しているよりもつながってる方がいいんじゃないかな。
皮疹だけの話ではないのである。