内科の友人によれば、全国で高血圧症で治療を受けている人が約1,600万人いるという。
しかし、高血圧症の人自体は約4,300万人いると推計されているそうだ。
となると、差し引き約2,700万人の人が高血圧の診断基準を満たすのに治療を受けていないということになる。
大丈夫か?

精神科でいうと、全国で精神障害で治療を受けている人が約614.8万人。
しかし、なんらかの精神障害の診断基準を満たす人は約1,900万人いると推計されている。
となると、差し引き約1,285万人の人がなんらかの精神障害の診断基準を満たすのに治療を受けていないということになる。
大丈夫か?

でも、実はどちらも、なんとな~くはわかってるよね。
血圧は健康診断でも測っているし、今どき血圧計は行政機関などいろんなところに置いてあっていつでも測れる。
精神障害も、細かな診断基準など知らなくても、こころの不調が家庭生活や職業生活に支障を及ぼしていれば、なにかのこころの病気なんじゃないかな、とどこかで思っているはずである。

それでも受診しない=先延ばしし、回避し、逃避し、否認したくなる、そんな気持ちも、同じ凡夫としてわからないではない。
オレの/わたしのからだとこころだから、どうしようとオレの/わたしの勝手だと言われるかもしれないけれど、ちょっと視点を変えて、そのからだもこころも自分で作ったわけではなく、そもそもが授かりもの、天からの大切なレンタル品だと思えば、できるだけ、メンテして、リペアして、使い切ってからお返ししましょうよ。
そう思えば(「そう思うようにすれば」というやりくりではなく、私はそれが真実だと思っている)、ちょっと受診しやすくなるかもしれない。
せめてみすみす自分のからだとこころを壊すような自己破壊行為だけはやめときましょ。

 

 

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