精神科医/精神療法家という仕事をしていると、自分の役目のひとつとして、クライアントが生きて来た/生きている/生きて行く人生を知るひとりの「証人」としての使命を感じるときがある。
ようやく酷い夫との離婚が成立し、これから二人の子どもと生きて行きます。
不安もあるけど頑張ります。
発達障害の子どもと夫の世話で生きて来ました。
子宮癌が見つかり、これから闘病です。
虐待を受けてずっと児童養護施設で育ちました。
来春、施設を退所し、ひとり暮らしと仕事が始まります。
みんながみんな、テレビのドキュメンタリー番組の主人公に取り上げられたり、自伝を出版できるわけではない。
また、そんな機会があったとしても、人さまには言えないような「秘密」の話もたくさんある。
それでもね、みんなにそれぞれの人生があり、今日までなんとか生きて来た。
せめて私ひとりでも、あなたが生きて来た/生きている/生きて行く人生の「証人」でいることはできる。
そして願わくば、いろんなことがありながらも、あなたがあなたとして成長して行く人生の物語の「証人」でいたいと思う。
たったひとりでも、いないよりはいいでしょ。
そしてどんな「秘密」の話でも聴きますよ。
それであなたが楽になり、あなたが本当のあなたになっていけるのならば。