例えば、あなたが生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)になったとする。
医者からは食事療法を勧められる。
さて、あなたはどうする?

真面目な患者さんは、食事療法を粛々と励行される。
大したものである。

しかし、そんな人ばかりではない。
大抵の人は続かない。

よくある方法としては、普段は摂生して、たまにチートデイを設ける人がいる。
このときとばかり、好きな焼き肉、うなぎ、魚卵、ケーキなどを食べて、憂さを晴らす。
その楽しみがあるから、普段の摂生も耐えられるという。
それが実行できるのであれば、これもなかなか大したものだと思う。

中には強者(つわもの)もいる。
「食事は制限したくないので、お薬をお願いします。」
と言い切る。
一切我慢する気がない上に、
薬だけでなんとかしてもらおうというのである。
これもこれで大したものかもしれない。

そういう人ばかりではなく、
食習慣は変えず、
受診や健康診断を回避し始める人もいる。
現実逃避である。
それだけでなく自己破壊的な臭いもしてくる。
こればかりは大したものとは言えないな。
陰に(身体的ではなく、実は)メンタルな問題が見えて来る。

食事療法は、内科医や臨床栄養士などによって行われることが多いが、実は精神療法的な要素も相当必要なんじゃないかな、と私は思っている。
理性と意志の力だけで行動変容できる人は、そんなに多くない。
私の経験からすれば、体の声、生命(いのち)の声が聴こえて来るようになれば、動き出すものがあるのではないか、と思う。
私も、今のところ、生活習慣病にはなっていないが、もし罹患する日が来れば、我が身をもって試したいと思っている。
実地でなければ、空論に終わるからね。

 

 

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