面談に来ている臨床心理士の人から、先生にところに通っていると、心理療法の個別指導を受けているみたいですね、と言われたことがある。
確かに、その人がセラピーを行っているクライアントのことを具体的に伺って、私がコメントするという、その形態は、先生一人対生徒一人の個別指導塾に似ているかもしれない。
決して集団指導ではない。
しかし、個別指導塾と決定的に違うのは、そこで問題を解くためのノウハウ=クライアントの問題を解決するためのノウハウを教えているのではなく、セラピーを通じてその人自身の人間としての成長を個別に求めて行くところにある。
数学の問題を解くのに、生徒に人格を求めることはないが、
本物のサイコセラピーを行うためには、セラピストに人格的に求められることは甚大である。
果たしてそこを求めて、いや、そこまで求めて来られるかどうか、それが当研究所の(他と違う)最大の特徴と言える。
そんなことまで求めている人が、果たしてこの精神科医療保健福祉の世界にいるのか、と心配になったこともあったが、いざ開業してみると、有り難いことに(決して圧倒的多数ではないが)、いらした、いらした、奇特な方が。
まさに頭記の人も、そう言いながら、自分自身の成長課題や問題とよく向き合っておられる。
ならば、それは「個別指導」というより(大時代的ではあるが)「嗣子相伝(ししそうでん)」(継ぐべき人に継いで行く)という表現の方が近いかもしれない。
同じことを大切だと思う人に、人間の成長の真実を伝えて行く。
まだまだ私も伝えて行く気満々である。
あとは求めるあなたにお逢いしていくだけだ。