たまに、私が精神科医とわかると、いろいろ話したそうにする人がいる。
さらに私が精神療法家や精神分析医であることを知ると、余計に何かを訊きたそうにする人がいる。
こころの健康に関する国民の啓蒙・啓発という点からすれば、別にいろいろ訊いてもらって構わないし、お答えできることはお話するが、困るのが個人的なプチ相談である。
これはそう簡単に応じることができない。
ちょっと、軽く、気になってたことを相談する ー そういう相談はやってないのである。
当ホームページをご覧になればおわかりの通り、当研究所では、自分自身に対して本気で「情けなさの自覚」を持ち、真剣に「成長への意欲」を抱いている人を対象とし、その人の生き方自体を根本的に変えて行こうというのであるから、残念ながら、ちょっと、軽く、とはいかないのだ。
しかし現代では、ちょっと、軽く、に応じてくれる相談先もたくさんあるようであるから、それで良い方にはそちらへどうぞ。
先日も、「松田先生ところは、『対象』をそんなに絞って、よく来る人がいますね。」と言われたが、有り難いことに、世の中にはそういう奇特な方々もいらっしゃるのである。
確かに、希望者が怒涛のように押し寄せて来ることはないが、よくまあ、ここに申し込んで来られましたね、というような方々との出逢いが、私の確信(私が逢うべき人には逢えるようになっている)をさらに深めてくれている。
中には、「情けなさの自覚」と「成長への意欲」が甘く、残念ながら、途中で脱落して行く人もいなくはないが、それも年に一人いるかいないかであり、結果的に、深く、根本的に、というのが、当研究所におけるセラピストとクライアントとの関係になっているようだ。
それでも生かされている時間は決して長くない。
私の中で、一人でも多く、逢うべき人に逢いたい、その人の本質的な成長に関わりたい、という想いは、開業当初から今日まで些かも変わっていないどころか、さらに強くなっているような気がする。
「ちょっと、軽く」が「深く、根本的に」になったら、どうぞ八雲の門を叩き下さい。
「そのとき」が、あなたの転機です。