「私は、職業柄、いつも悩みを持ち、問題を持った人たちのご相談を受けているえあけなんですけれども、いのち、その方のいのちが病んでいると思ったことは一度もないのです。いのちがただ迷っているのだと思うのです。いのちが本質的には輝いてその人の中にある。しかしながら、その人がほんとうの自分のいのちを生かすということに目覚めていないために、他のつまらぬものを生かそうとしているためにとでもいいましょうか、自分のいのちよりも大事なものと考えるものがあって、それを生かすためにじつは問題が生じているということなんですね。…
いろいろな人がいます。愛人に裏切られちゃったから、もう私は人生に何の希望もありません。そういうような女の人 ー カミソリの刃でもって手首をパッと切ってね、自殺を図ったというふうな女性もいました。…『そう、その人はどういう人なの?』と聞くと、いいところを話す。好きなんだからいいところばかりいうのは決まっている。けれども、だんだん話していくうちに『でもその人はあなたのいのちが育つことにはあまり役に立っていないみたいですね』と私はいった。そうすると妙な顔をしておられる。『その人は一時あなたを愛していたのでしょう? 少なくとも愛するという言葉は使われたのです。しかし、愛するということはどういうことかというと、私にいわせれば、相手のいのちを育てることではないでしょうか』と、いってみた。そうするとね、なるほどと、なんとなくぼんやりとわかったような感じをなさるのですね。愛というものは、うっかり間違うと自分のいのちを育てるどころか、腕を切って死んじゃうというような、自分のいのちを傷害するほうにも働きますね。」(近藤章久『迷いのち晴れ』春秋社より)

 

「でもその人はあなたのいのちが育つことにはあまり役に立っていないみたいですね」
あなたの親/夫/妻/パートナー/恋人/親友/上司/先輩/先生 etc.は、あなたのいのちが育つことに役立っていますか?
また、あなたはあなたの子ども/夫/妻/パートナー/恋人/親友/部下/後輩/教え子 etc.のいのちが育つことに役立っていますか?
「愛するということは…相手のいのちを育てることではないでしょうか」

あなたの親/夫/妻/パートナー/恋人/親友/上司/先輩/先生 etc.は、あなたを愛していますか?
また、あなたはあなたの子ども/夫/妻/パートナー/恋人/親友/部下/後輩/教え子 etc.を愛していますか?
この世の中で縁あっての出逢いです。
ただの出会いじゃあ、しょうがない。
表面を撫でたような出会いじゃあ、もったいない。
情にまみれた出会いじゃあ、気持ち悪い。
互いのいのちを育て合う、育み合う出逢いにして行きたいじゃあ、ありませんか。
そうして初めて、この世界にあなたとわたしが生まれて来て、そして、あなたとわたしが出逢った本当の意味が、成就するのだと思います。

 

 

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