世の中に「背徳グルメ」というものがあるそうな。
食べると背徳感や罪悪感を感じる料理のことで、高カロリーのものと脂っぽいものが双璧であるが、他にプリン体の多いものや悪玉コレステロールが跳ね上がるものなどさまざまだ。
具体的には、山盛りの唐揚げ、背脂ラーメン(ニンニク増し増し)、焼き肉食べ放題、トンカツ&エビフライなんならメンチカツものせカレー、炭水化物×炭水化物、スウィーツビュッフェ、チーズケーキやアイスクリームケーキのホール食い、痛風鍋、魚卵攻めなどなど、いくらでも挙げられる。
そうすると思い出すのが、19世紀スウェーデンの、敬虔なクリスチャンにして菜食主義者であったエリク・ヤンソンである。
彼が、余りにも美味しそうな見た目と香りに誘惑され、つい口にしてしまった料理が「ヤンソンの誘惑」(アンチョビとジャガイモのグラタン)である(以前にも少し触れた。由来には諸説あり)。
(以前、勉強会の後の懇親会でスウェーデン料理を食べに行きましたね)
ヤンソンが食したときの、その苦悩に満ちた悦楽の笑顔が想像できる。
嗚呼、食べてはいけない、と思うほど、食べたくなり、
食べてはいけないものほど、美味しいと感じるのは何故でしょうか。
(酒とタバコも同じようなものであるが、両者には依存性があるので事情がちょっと異なる)
その背景が解明されない限り、肥満や糖尿病、脂質異常症、痛風などの食事療法は、これからも苦戦することになるだろうと思う。
ちなみに、あなたの「背徳グルメ」は何ですか?
他で言わないから、そっと教えて下さい。