獣医のドキュメンタリー番組を見ていると、よく家畜の去勢シーンが出て来る。
メスを過剰に妊娠させないためという理由もあるが、乱暴で困るという理由で馬や牛などのオスが去勢されている。
気の毒に、と思いながら見ているが、そもそも我々ヒトの男性において、男性ホルモン=テストステロンがどういう作用を及ぼしているのか、が気になって、改めて調べてみた。

そうすると、
身体的には、筋肉や骨格の増強、性欲や性衝動の亢進など
精神的には、競争心の亢進、積極的で前向き、短気で易怒的など
がもたらされるという。

医学的には、へぇ、そうなんだ、で終わるところだが、これをの視点から見てみると、別の様相が観えて来て、実に興味深い
即ち、我欲(性欲、物欲、金銭欲、名誉欲など)を満たすために、即ち、思い通りにするために、腕力、権力、財力などを使って、競争相手をブッ飛ばして行く。
いわゆる“我”を男性ホルモンが強化しているフシがあるのである。

正直、ろくてもないな、と思った。
かと言って、男性ホルモンを止めるために、片っ端から去勢していけば良い、というものでもなかろう。
それじゃあ、人類が絶滅してしまう。
そんな安易な解決法ではなくて、男性ホルモン=テストステロンという生物学的影響を受けながらも、それに支配されず、つまり、我欲の塊に堕さず、我々を通して働く、もっと高次な力に導かれて生きて行きたいものだと思う。

それができない大人の男どもは…(あとは想像して下さい)。


 

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