あるジャーナリストの本を読んだ。

異端の新聞記者たちの意地と矜持をまとめた本である。

「従来の取材や編集の在り方を覆(くつがえ)し、かくあるべきとされてきたしきたりを破る。地域の有力者の声に反し、社上層部の意向に従わない。業界内の評判や立身出世に関心を寄せない。…
彼らは…ある一点について忠実だったからこそ『正統』を外れたのではなかったか。…
それは…世の中や読者が新聞に何を求めているかが行動原理のど真ん中にあったということだ。

彼らはあくまで「どこを向いて仕事をするのか」という「意地」を見せる。

医療や福祉の分野でも事情は全く同じである。
誰を向いて、どこを向いて、仕事をするのか。
何故か私のまわりには、愛すべき「異端」の人たちが多い。

そして著者は言う。
「世の中は新聞に何を求めているのか。新聞にしかできないことは何なのか…。彼らのような異端者が異端でなくなったときに、新聞ははまたよみがえるのではないだろうか。」
上記の「新聞」を「医療」や「福祉」あるいは「精神療法」に置き換えても、そのまま当てはまる。

異端だろうが正統だろうが、少数派だろうが多数派だろうが、関係ない。
人間として真っ当に、与えらえたミッションを果たして行くのみである。

 

 

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