これが今回の自分の人生のミッションではないかと思ってやっていても、現実にはなかなかうまくいかないことがある。

そんなときには、まずそれが本当に自分に与えられたミッションなのか、
それともミッションと思い込んでいるだけで実は自分の我欲からそれをやりたいだけの勘違いなのか、
を見つめ直してみる必要がある。

もちろん後者ならば、もう一度一から、何が自分に与えられたミッションなのかを問い直してみる必要があるし、
もし前者ならば、現状に耐えて、短気を起こさず、今の道を歩み続けなければならない。

仏教において菩薩に課せられる修行として、六波羅蜜(はらみつ)=六つの実践徳目があるが、その中のひとつに忍辱(にんにく)がある。
忍耐すること、耐え忍ぶことを指すが、上記の「現状に耐えて、短気を起こさず、今の道を歩み続けること」も、立派に忍辱のひとつと言える。

その途中で、いろんな迷いが生じる、不安にもなる、これでいいのか、と思う。
それでも、自らの魂に訊いて間違いなければ、どんな逆境の中にいても耐え忍ばなければならない。
生前全く評価もされず売れもしなかった芸術家なんていうのは、その典型的な例かもしれない。
それでも創作をやめてはならない。
何故ならば、それがミッション=今回の人生で生を受けた理由であるからである。

しかし、基本的には大丈夫なのである。
それが本当にミッションであれば、なんだか知らないけれど、支えられる、持ちこたえられるようになっている。
そう。
忍辱する主語は「私」ではない。「私」=凡夫なんぞに忍辱する力はない。忍辱する力もまた「私」に与えられるから忍辱できるのである。
六波羅蜜はすべて、他力によって行われるということを知らなければならない。

 

 

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