坪庭の落ち葉掃除をしていたら、綺麗な緑色の細長い葉っぱを見つけた。
余りに鮮やかな緑色に見惚れて、思わず触れたら、この葉っぱが動いたんです。
ありゃ、こりゃあ、葉っぱじゃなくって、バッタか?
よく見ると、確かに正面に仮面ライダーの顔。
人差し指と親指で細長い胴体部分をそっと掴むと、モソモソと肢を動かして
「やめてくらさい。」
のアピール。
気温の低かったせいか、体動がとてもスローで、私にはどうしても「やめてください」ではなく「やめてくらさい」に聴こえた。
これ以上触るのは気の毒と思い、ゆっくり放すと枯れた芝生の下へガサガサと身を隠して行った。
それにしても鮮烈な緑、いや、碧(あお)というべきか。
生命(いのち)の塊に触れたような気がした。
具体的なもの(バッタ?)に抽象的なもの(生命(いのち))を感じる。
限定的なもの(バッタ?)に永遠のもの(生命(いのち))を感じる。
我ながら、これが日本人の精神性の伝統だ。
後で調べてみると、ショウリョウバッタなどのバッタは卵で越年するそうで、この時期にこの大きさの成虫が観られるのはキリギリス、特にクビキリギリス(クビギリス)らしい(バッタとキリギリスが違うことを初めて知った)。
クビキリギリスは噛む力がとても強いと書いてあり、危ない、危ない。
でもやっぱり、あの碧は触りたくなるよなぁ。