「4月1日から居場所を失ってしまう方へ」という見出しのネットニュース記事を見た。

夏休み明けの子どもたちに配慮した記事(また学校でイジメに遭うのを苦にして自殺を図ることを予防するための記事)は見たことがあったが、確かに、年度替わりもまた人間が窮地に迫られる時期である。
仕事がない、住むところがない、頼るところがない、そしてどこにヘルプサインを出して良いのかもわからず、そもそもヘルプサインを出すことさえ断念している人たちがいる中、こちらから当事者に声をかけていくこの姿勢は重要だと思った。

ある若い女性が、居場所をなくしたときに、ポツリと「死んじゃおうかな。」と漏らしたのを覚えている。
幸(さち)薄い彼女の生育史を思えば、それは注意獲得的な演技ではなく、掛け値なしの本音であった。

腐っても日本。
長年、精神科医療に携わって来た経験から言うと、日本国は衣食住と医療とを提供する力は持っている。
まずは公的機関に相談しよう。
住居が確保でき、当面の衣食が間に合えば、未来への計画を立てる気にもなってくる。
そしてあなたのことを気にかけてくれる人がつく。
そこから人生を逆転して行った人間はいくらでもいる。
先に挙げた彼女もまた、今は元気に働いている一人である。

こんな小さなサイトの、こんな小さなひと言でも、声をかけようと思います。
少なくとも、これを読んで下さっている方たちの中に、小さな輪が広がるかもしれないから。

折角もらった生命(いのち)だもの。
あなたが今回の人生で果たすべき意味と役割が絶対にあるんです。
死ぬのはそれを果たしてからで十分です。

 

 

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医療・福祉系国家資格者と一般市民を対象とした人間的成長のための精神療法の専門機関です。