40代になって、大工からラーメン屋に転職した人がいた。
それも屋台を押しての開業である。
全くの異業種に変わることに何の不安もなかったのであろうか。
80代になった今も現役で屋台を押しているその人にある人が尋ねた。
「自信はあったんですか?」
老人は即答した。
「ありました。」
余りに迷いのない返答ぶりに息を呑んでしまった訊き手に対して、彼は言葉を付け加えた。
「覚悟を決めたら何でもできますよ。」
この話を
「自力」の 鉄の意志と鬼の努力によって「覚悟」してやった成功譚と聞くか
「他力」の ミッションによって「覚悟」させられ、有無を言わさずやることになった成功譚と聞くか
で話の深みが大いに変わるのである。