最近、精神科クリニックでなかなか初診予約が入れられないという話を聞く。
それについて、ある開業精神科医のコメントが読んだ。
再診患者を1日α名診察すると、保険診療報酬が年間β千万円になる。
このβ千万円を超えると、制度上、税金が2倍になる。
よって、開業して再診患者数がα名に達すると(大体開業1年で到達する)、それ以後、初診患者の受け付けをお断りして、年間保険診療報酬がβ千万円を超えないようにする。
しかも最近は、手のかかる面倒臭い初診患者が多い。
よって、気心の知れた手のかからない患者だけを再診α名に抑えて診察し続けて行く方が、サロン状態にできて一番心地良いのだという。
一読して我が目を疑った。
こんなバカ開業医が実際にいるのかと。
ここには私利私欲の計算しかない。
楽して儲けることしか考えていない。
何のために医者になったのか。
何のために開業したのか。
そこにはミッションも志もないのである。
こいつだけの例外的な話と思いたい。
あのね、そもそも我々はミッションを果たすために生命(いのち)を授かったんですよ。
医者になったのなら、開業したのなら、
診られる範囲で何人でも一所懸命に診るのがミッションなのである(診られる以上に診ろとは言わない。医師が健康で持続な可能な人数で十分である)。
そして、そもそも面倒臭いことをやるのがミッションなのである(人間は面倒臭いんです。臨床は面倒臭いんです)。
しかしそのミッションの中に、人間の変化と成長に立ち会えるという(大変さと面倒臭さを遥かに上回る)やりがいと喜びがあるんです。
楽して儲けたい方は、とっとと医者なんかやめて、もっとあからさまに金儲け本意の仕事に転職されることを心からお勧めしたい、