Apple Music が音楽ストリーミングサービスをサブスクリプション(サブスク)で始めたのが、2015(平成27)年であったという。
当時は、この画期的なサービスの開始により、既に息も絶え絶えの状態にあったアナログレコード業界は、完全に息の根を止められるだろうと言われていた。

しかし、不思議なことが起こった。
アナログレコードの売り上げが、
2015(平成27)年から、むしろ右肩上がりの上昇に転じたのである。
皆、驚いた。
何が起こったのかわからなかった。
アナログレコード業界の人が、当時のことを振り返って

「我々の中に面倒くさいことを尊ぶ文化があったんですよ。」

と語った。
なるほどね。

コスパ(コストパフォーマンス)とかタイパ(タイムパフォーマンス)とか言われ、
誰もが効率主義や功利主義に追われている時代のように見えて、
実は、どこかに「本当に大事なものはそんなところにないんだよね」という感覚が、まだ我々のどこかに残っていたのである。

それは人間というものに希望が持てる話だ。

我々は毎日、人間存在という最も面倒くさいものに関わって生きているんだものね。

イヤんなっちゃうときもあるけど、人間が人間に関わることはやめられないんです、やっぱり。

 

 

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