ネットニュースに「女子高生のなりたい職業」のアンケート調査結果が載っていた。
高校生になれば、小学生や中学生と違い、ある程度の現実性を考えて、自分の進路を検討しているはずである。
その今どきの女子高生は一体何になりたいんだろう、と興味を持って読んでみると、
第1位 公務員(7.8%)
第2位 看護師(7.1%)
第3位 教師(5.2%)
なのだそうだ。
公務員の第1位は、いかにも手堅いであろうから納得がいくが、現代になっても、第2位に看護師が入っていることに驚いた。
現代の女子高生たちも、自分以外の誰かの苦しみを救うために働きたいと思ってくれているのだ。
これには希望を感じる。
しかし私は知っている。
そういった希望に胸を膨らませて看護学校/看護学部/看護学科に入学したのは良いが、大体がまず「看護実習」あたりでダメージを受ける。
ある報告によると、「看護学生生活で『つらい』と感じたこと」のワースト1は「看護実習」なのだそうだ(なんと86.5%!)。
そして、なんとか看護実習を切り抜け、国家試験に合格し、病院に就職してから「新人看護職員研修」を受けることになる。
この「新人看護職員研修」がまた、学生時代の「看護実習」の再来に、いや、プロになってからであるので、さらに一層「つらい」ものとなりかねない。
これが2回目のダメージであり、これから休職や退職にまで発展することもある。
ある報告によれば、新人看護師の離職率は7.5~7.9%。
かなりの数値だ。
では、何がそんなに「つらい」のか。
私自身の病院勤務経験や、病院職員のメンタルヘルスに関わって来た経験からすると、まず一番辛いのは「働く環境」である。もっと言えば「人的環境」である。さらに言えば、「先輩・上司との人間関係」である。
さて、どうするか?
ここらが師長、看護部長の腕の見せどころだと私は思っている。
新人看護師を指導する人間を指導できるか否か。
結局、看護部長→師長→係長/主任(役職名は病院によって異なる)→先輩看護師(プリセプター、エルダー、メンターなども含む)→新人看護師の流れが、本当の意味で、人を育てるようになっているかどうかが問題なのである。
もちろん看護学生や新人看護師の側に、難しい問題がある場合もあることも私は知っている。
中には適性上、困難な子もいる(その場合は早くに他の道に方向転換した方が良いかもしれない)。
それでも、もし可能性があるのであれば、先輩職員たちが、この難しい新人をどう育てようかと、あーでもないこーでもないと、愛情を持って、智慧を寄せ合い、考えていただきたいと思う。
そう。やっぱり「裁くのか/育てるのか」「攻撃するのか/愛するのか」という問題に行き着く。
看護師が看護学生を愛して育ててくれると良いなぁ。
先輩看護師が新人看護師を愛して育ててくれると良いなぁ。
そうして、看護師になりたかった女子高生の夢が、やがて現実に、やりがいと喜びを持って、叶うと良いなぁ、と本気で願っているのでありました。