所用があって、私鉄駅改札窓口の駅員さんやJR駅改札窓口の駅員さんと話す機会があった。
そのやりとりの合間合間に、ちょっと待つ時間があり、窓口横に立っていたのだが、その間にいろんな人が窓口にやって来た。

待つこと数秒で 
「早く領収証出せよ。オレ待たされるの嫌いなんだよ。チッ。』 
と言って立ち去るジジイ。

ちょっとした電車遅延の不満を、忙しい駅員相手に延々と言い続けるおっちゃん。

くしゃくしゃのメモを広げて、入れ歯なし(恐らく)のふにゃふにゃ言語で、なんだかずーっと怒ってるおばあちゃん(認知症の方かもしれない)。

毎日毎日これじゃあ、駅員さんも大変だな、と思った。
どこか自分が顧客である立場を悪用して、駅員さんをナメている臭いがする。

そしてまた駅員さんの対応が勉強になった。

そんな利用のされ方(言いがかり?)に対抗するためか、虚勢を張ったしゃべり方をする駅員さんもいるにはいたが、流石に女子高生相手にそんなのは要らないんじゃないかと思った。
しかし、そんなのは一人だけで、私が対応してもらった何人もの駅員さんたちは皆、とても親切であった。
特に、毎日毎日わがままな利用者たちに接しながら、中堅~ベテランの域に入っても“擦れる”ことなく、親切な対応を続けておられる姿勢には感服した。

目立たないことだけれど、地味なことかもしれないけれど、毎日毎日、何年も何十年も、この娑婆の中に生きて、汚泥を浴びせられながらも、こころの芯だけは清浄(しょうじょう)に保てているのは素晴らしいことだと思う。

まだちょっとこの世界には希望があるかもしれない。

 

 

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