ある海外ドキュメンタリー番組の中で、女性獣医がポツリと
「人間は他の種(species)と関係を持ちたがる動物だ。」
と言った。
このひと言が妙にこころに残った。
「確かに。」
ペットのことを思い浮かべればわかるように、人間はいろいろな他の種の動物と関係を持ちたがる。
そして、気がついた。
「おいおい、動物ばかりじゃないぞ。」
下手をすると、鉢植えや庭の木々などの植物とも関係を持ちたがっている。
少なくとも日本人はよく話しかけ、場合によっては木の幹に抱きついたりもする。
さらに、思い当たった。
「そう言えば、あのじいさんは庭石とよく話していたな。」
無生物まで行くか。
山や海や夕陽や月と話す人もいるぞ。
「関係を持つ」とは、どういうことか。
その存在と存在との根底において、ぶっつづきのものを感じるということである。
話が禅的になってきた。
いや、神道的か。
そんなものが感じられれば、世界の分断や対立もちょっとは少なくなるかもしれない。
まずは、動物でも植物でも無生物でもいいから、表面的な“隔て”を超えて「関係を持つ」ことから始めましょ。