以前、知人宅で家族一緒のカードゲームに誘われた。
家族みんなが好きなのだというが、私は苦手なので、と丁重にお断りした。
そう。
カードゲームは余り好きではない。
相手の心理を読んだ上の駆け引きとか、勝つためのフリに演技に嘘八百など、やろうと思えばいくらでもできるし、所詮遊びなのだからとテキトーなやり方もできないではないが。それでも面倒臭くてしょうがないのである。
それには私の生育史が絡んでいる。
相手の心理を読んだ上での駆け引きとか、なんとかその場を切り抜けるためのフリに演技に嘘八百など、そんなことは保身のためにイヤというほどやって来た。
もうたくさんなのだ。
そんなゲームをしなくても、本音から結論からコミュニケーションして行って、楽しい時間はいくらでも過ごせるということを、今の私は知っている。
だから、今の仕事も向いているのだろう。
相手の心理を読んだ上での駆け引きとか、なんとかその場を切り抜けるためのフリに演技に嘘八百に行き詰まったクライアントの方々が面談にいらっしゃる。
もっと人間を信じて、言葉を信じて、生きて行きたい人が面談にいらっしゃる。
私の通って来た道だ。
伝えられることは山ほどある。
そういう信頼と愛とに基づいた人間関係を構築できるようになった後で、やっぱりカードゲームを楽しみたいのであれば、それも「あり」だろうが、それでも私は「なし」だな。
可能ならば、いつでもどこでも誰とでも、正面からど真ん中の関係が私には心地よい。