子どもがおねしょをした。
お母さんはギャンギャンと怒った。
「何やってんの!」「本当にもうあんたは!」「お母さんがどれだけ大変かわかってんの!」
おねしょは本人がわざとやっていることではないため、怒られても途方に暮れるしかなく、あ~あ、自分はダメだなぁ、と子どもの自己評価を下げることになる。
子どもがおねしょをした。
お母さんは盛んに言った。
「大丈夫、大丈夫。」「おねしょなんてどうってことないから。」「気にしなくていいからね。」「大したことない、ない。」「心配いらないよ。」
子どもはポカンとした顔で聞いていたが、母親が余りに言うので却って、自分は大変なことをやってしまったのか、と気になってしまった。
演技的オーバーアクションは嘘くさくなる(実はお母さんが気にしていることがバレてしまう)のでしない方がいい。
子どもの直観は侮(あなど)れない。
子どもがおねしょをした。
お母さんはあっさりと
「大丈夫よ。」「さ、着替えて。」「お布団も洗って干しましょうね。」
と言っただけで終わり(本音でそれだけ)。
子どもの自己評価が下がることもなく、疑心暗鬼になることもない。
それよりも何よりも、子どものおねしょなんかで揺るがない母親の愛を感じる。
ちなみに、「おねしょ」が「夜尿症」になって「症」が付いて来ると、ちょっと意味が違って来る。
「夜尿症」の定義は、
1.年齢:5歳以上
2.頻度:1カ月に1回以上が、3カ月以上続く
であり、1週間に4回以上となると「重症度」が「頻回」となる。
そして、有病率は、5歳:15%、6歳:13%、7歳:10%、8歳:7%、10歳:5%、12~14歳:2~3%、15歳以上:1~2%、と少なくない。
いろいろな場合があるので、心配な親御さんは小児科医に相談しましょう。
で、最後に大事なことをひとつ。
上記のように、お母さんが子どもに愛情を持って接することができるようになるためには、お母さん自身もまた愛される必要がある。
お父さんはもちろん、(心理的に)お母さんの近くにいる人たちは、一所懸命に生きているお母さんを非難するのではなく、愛しましょう。
愛されて初めてその人は本来のその人を発揮します。