ダチョウは危険が迫ると、頭を砂の中に隠して危険をなかったことのようにする、という。
思い浮かべると滑稽な姿である。
そこから、都合の悪いことから目を背ける姿勢のことを「オーストリッチ(ダチョウ)効果(ostrich effect)」というそうな。
精神分析的に言えば「否認(denial)」ということになる。
ダチョウの名誉のために言うならば、実際のダチョウはそんなことはしない。
ダチョウが聞いたら怒るだろう。
しかし、人間はやる。
都合の悪いことから目を背ける。
それも、小さくて弱い子どもは仕方がないと思う。
辛い現実から目を背けて誤魔化さないとやってられないんだもの。
しかし、大人がやるのはいかがなものか。
そのときだけちょろまかしたところで、問題は全く解決していないし、
すぐその場で破綻しなければ、うやむやのうちに時は過ぎ、後で破綻することになる。
「オーストリッチ効果」は「先送り」とセットになりやすい。
不登校、引きこもり、8050問題。
健診や人間ドックを受けず(受けても結果を放置し)/体の不調も放っておき、気がついたら大変なことになっている。
などなど、例には事欠かない。
まず、せめて「情けなさの自覚」を持とうよ。
「オレって(ワタシって)しんどいことが起こると目を背けて誤魔化すよな、逃げるよな。とほほ(あ~あ)。」と。
そして次に「成長への意欲」を持とうよ。
「誤魔化さないで、逃げないで、向き合えるようになりたい、直面化できるようになりたい。成長したい。」と。
そうなれば、やることがある、できることがある、いくらでもある。
そして最後は大人の責任。
まだ逃げます? 向き合います?
その結果は容赦なくあなたの人生に返って来る。
最早子どもではない大人のあなたの責任。
せめて向き合おうとする人には応援団がいることを知っておいて下さい。