「子どもには、何かこう、愛を求め、愛というものを、本当にね、感じたい、幼い気持ちが、いや、子どもらしいというよりも、全人類に共通したそういうものが、心の中にあると思うんです。我々全人類っていうものはね、大人も子どももです、我々は愛というもの求め、それに渇(かわ)いている人間じゃないでしょうか。…
よく子どもは授かりものだと。そうなの。授かるって、何を授かる。自分がそれを本当に健やかに、幸せにするように、のびのびと成長さすように、そういう役割を自分は持ってる。母という役割を持ってる。そういう気持ちでね、見て下さい。だから、その生命(いのち)を汚しちゃいかん、その生命(いのち)を傷つけちゃいかん、その生命(いのち)を健やかに育てて行かなくちゃいけない。そのために私たちは、まず第一に大事なことは、自分自身の心を正直な、偽りない、偽善でなくて、本当の意味の愛というもの、正しい、本当の、正直な愛というものを子どもに対して持つ、その生命を育てて行く、ということが必要じゃないかと思う。
どうか、もう一遍繰り返しますけど、具体的にそれを言えば、子どもを認めてあげて下さい。旦那さんも認めてあげて下さい。自分を認めてあげて下さい。…
だから、結婚の愛というものも、夫は妻の生命がすくすくと育つようにするのが夫の愛です。妻は夫がすくすくと、その生命が伸びて行くようにする。これが妻の愛です。…
その根本的な愛があるならば、自分の子どもに、授かった子どもに対して、その生命を育てて行くために、一所懸命、どんない苦労しても、こんなにやりがいのあることはない、と私は思うんです。」(近藤章久講演『子どもの自殺と非行に走る心理』より)
人間一人の一生の間で、まず自分一人の生命(いのち)を本当に愛し、本当に育てることができたならば、それは素晴らしいことだと思います。
そして、自分以外の生命(いのち)を一人でも、本当に愛し、本当に育てることができたならば、それはさらに素晴らしいことだと私は思っています。
ですから、
縁あって夫婦になることの本当の意義
縁あって子どもを授かることの本当の意義
縁あってわたしがあなたに出逢った本当の意義
を確かに掴み、
相手の生命(いのち)を本当に愛し、育てて行くことに、
あなたに与えられた深いミッションを感じていただきたい、と切に願うのであります。