ふと思う。
私が若い頃から得意だった、相手が何を望んでいるかを見抜き、それを率先して言ってあげるようなセラピーをやっていたら、どうなっていただろうかと。
恐らく、短期的には絶大な支持と人気とを博したかもしれない。
クライアントたちの実に嬉しそうな笑顔が目に浮かぶ。
しかし、大変申し訳ないが、それは各人の我(が)が喜んでいるだけの、薄っぺらい笑顔だ。
そうして必ず行き詰る、そんなやり方では。

甘い毒は後から効いてくる。
その間の貴重な人生の時間が無駄になり、
多くの成長のチャンスが失われる。
そんな共犯者に私はなりたくない。

だから、多少耳が痛くても、
心にチクチク刺さろうとも、
時に真実を申し上げる。
耳触りの良い、あなたの我が喜ぶような言葉だけをお聞きになりたいのであれば、他のセラピストのところへどうぞ。
成長のための真実の言葉がお聞きになりたいのであれば、こちらへどうぞ。

そして流石に私のところへ面談に来られる方たちは、「情けなさの自覚」と「成長への意欲」を持っておられる。
従って、私が申し上げるまでもなく、自分から果敢に自分の問題や成長課題について取り上げられる方も多い。
そうなると、私が何かを申し上げる必要もない。

そういう姿勢の違いが停滞か成長かの分かれ目になる。

苦い薬もまた後から効いてくる。
そしてそれはやがてあなたの人生の深い味わいとなる。

 

 

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医療・福祉系国家資格者と一般市民を対象とした人間的成長のための精神療法の専門機関です。