近所に公園がある。
朝は元気な高齢者たちがラジオ体操に集まる。
そして午前中は保育園児たちが散歩にやって来る。
昼過ぎには若いお母さんたちが乳母車を押して訪れ、ベンチではおじいさんたちが日向ぼっこをしている。
夕方からは学校帰りの子どもたちが増え、ボール遊びの歓声が夕飯時まで続く。
で、私が気になるのは、そこから後である。
夜遅くまで、日によっては日付が変わる頃まで、一人でずっとバスケットボールでシュートを繰り返したり、サッカーボールを蹴り続けたり、壁に向かってボールを投げ続けている中高生がいる。
それが部活の延長の個人練習でないことはすぐにわかる。
そういう体(てい)で一人の時間を過ごしているのである。
なんかそういう気持ちがすごくわかるのだ。
このほんのりとした寂寥感と孤独感とよるべのなさを一体どう過ごしたら良いのだろう。
幸い治安の良い地域なので、危険なことはないし、おまわりさんも是非補導などはしないでいただきたいと思う。
そういう時間がね、必要なんだよ、人間として成長して行くためには。
勉強や部活や友達付き合いで誤魔化せないこの子たちに、将来、自分と向き合えるようになる可能性を感じるのだ。
そうしてこの中から、いつか話すことになる大人が出て来るかもしれないね。