特別養護老人ホームにて:
認知症の高齢女性の前で、ある職員がその女性を侮蔑したような悪口を言っている。
他の職員が諫(いさ)めると、
「どうせわかんないからいいのよ。」

若い家族の自宅にて:
お昼寝している幼児の横で、お母さんがその子のダメなことろを数え上げている。
夫が注意すると、
「どうせわかんないからいいのよ。」

観光地の飲食店で:
外国人観光客の前で、日本人の店員がその客たちの言動を笑いものにしている。
他の店員が指摘すると、
「どうせわかんないからいいのよ。」

いいや、わかっています、 あなたの悪意が。

 

また、
ある病院で:
若いお母さんが重度心身障害児の我が子の背中をさすりながら、ずっと話しかけている。
やめさせようとする夫に
「わからなくてもいいのよ。」

認知症治療病棟で:
重度の認
知症の父親に娘さんがずっと子どもの頃の楽しい思い出話を聞かせている。
止めようとする母親に
「わからなくてもいいのよ。」

新宿駅で:
階段の途中で、大きな荷物を抱えて苦労しているアジア人観光客に、ほぼ日本語で話しかけて助けようとしている若い女性がいる。
日本語で言っているのをやめさせようとする彼氏(多分)に
「わからなくてもいいのよ。」

いいや、わかっています、 あなたの愛が。

 

我々は言葉だけでコミュニケーションしているわけではありません。
存在と存在でコミュニケーションしているところがあるのです。
それが伝わる、届く、響く。
ならば、悪意ではなく、愛を伝えましょ。

 

 

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八雲総合研究所(東京都世田谷区)は
医療・福祉系国家資格者と一般市民を対象とした人間的成長のための精神療法の専門機関です。