私の出身校、東京医科歯科大学が、10月1日をもって東京工業大学と合併する。
大学の名称も変わり、どうせなら東京医科歯科工科大学、あるいは、名称の順番に問題があれば、東京工業医科歯科大学で良いんじゃないかと思っていたら、東京科学大学という、とんでもなくダサい名前(少なくとも私のまわりでは非難囂囂(ごうごう)である)に決まったという

しかし、名称というのは所詮、記号のようなものでもある。
学生時代、学園祭の広報の仕事をしたとき、都内の多くの大学に案内を送ったが、返信をくれた各大学の学園祭担当者が書いて来る宛名の間違いの多さにのけぞった。
東京医科大学…実在。よく間違われる。
東京歯科大学…実在。歯学部は間違われる。
日本医科大学…実在。文京区千駄木にあります。
日本歯科大学…実在。千代田区にあります。
日本歯科医科大学校…実在せず。創作してはいけません。
どれも住所が合っていると届くのだが、東京医科歯科大学って医学歯学分野以外では知られてないんだなぁ、とつくづく思った。
そう言えば、他の医療機関に電話をするときにわざわざ「国立!東京医科歯科大学・精神科の〇〇です。」と名乗ったドアホの精神科医がいた。
その尻に膝蹴りを入れたのは言うまでもない。
大学名という属性でなく、裸の自分で勝負しろよ。

しかし、私も学生時代を含めれば10年以上過ごした場所である。
私にとってはというより場所にノスタルジックな想いもある。
そんなことを考えていたら、所用でお茶の水に行くことがあった。
ふと、9月30日でなくなる東京医科歯科大学を見ておくか、という気持ちになった。

ちょっと足を伸ばして、多分20数年ぶりに病院の敷地に入る。
学生時代と同じ5号館(厚生棟)の存在を確認して、生協売店をのぞき、生協食堂で遅めの昼食を取った。
相変わらず値段がすごく安い。
学内には、ちょっとリッチなホテルオークラ系のレストランもあるが、食べるならやっぱりここである。
ああ、この皮のしっかりとしたハンバーグの歯応えと、安っぽいけど(すいません)滋味のある味わいは、昔のままだと思った。
食べたのはハンバーグだけではなかった。
大変美味しゅうございました。

滞在は30分未満。
病院を背に帰る私のこころの中では『時には昔の話を』が流れていた。

 

 

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