何かを言われたとき、取り敢えず「あ、はい。」と応える人がいる。
大したことない話で大したことないやりとりなら、それでいいのだけれど
やりたくないことをやれと言われたとき
不本意な提案をされたとき
思い込み、決めつけのことを言われたときなどに
「あ、はい。」と言うのは宜しくない。
「あ」に僅かに抵抗の跡が見えるが
大の大人が「はい」と言った以上、そこで同意した責任が生じる。
本当は、言われた瞬間に「やりたくないな。」「イヤだな。」「そうは思わないな。」という結論は一瞬にして出ているのだが、生育史の中で親からの圧力に服従せざるを得なかった体験の積み重ねが、今に至ってもあなたを無力な奴隷にしてしまっている。
相手の意向に沿わなければならない。
しかも相手を待たせず、すぐに。
自分の思いなんかどうでもいい。
しかし、必ず後になって後悔する。憂鬱になる。陰でブーたれる。
そして、しょうがなく服従するか、どうしてもイヤということになると、随分時間が経ってから、恐る恐る相談に行く。中にはいきなり辞表を出したりする人もいる。
やめましょう。
その「あ、はい。」の習慣。
可能ならば、そのとき、その場で、その人に
「イヤです。」
「それはしたくありません。」
「私はそうは思いません。」
と言えるようになるのが最終目標であるが、
それはすぐには難しい。
ならば、せめて「即答しない」習慣を身につけよう。
「ちょっと考えさせて下さい。」
「返事は今度でいいですか?」
「そうなんですか。」
などなど。
そして時間を作って、しっかり自分の本音と向き合ってから返答すれば宜しい。
そうすれば無力な奴隷にならないで済む。
そして、そうやって時間を稼いでいるうちに、そのとき、その場で、その人に
「イヤです。」
「それはしたくありません。」
「私はそうは思いません。」
と言える自分を作って行くのである。
そのためには丹田呼吸をお勧めする。
(そういう“行”をやらないと、いつまで経っても無力な奴隷のままである)
我々は小さくて弱かったとき、親に服従するしかなかった。
あのとき感じた不安と恐怖が、あなたを無力な奴隷にしたのである。
今のあなたは最早小さくて弱い子どもではない。
そして、大人として“肚が据わる”ために丹田呼吸が役に立つ。
だから、「あ、はい。」はもうおわりにしましょうね。