年齢のせいか、役回りのせいか、カンファレンスやミーティングなどの場で、締めのコメントを求められることが多くなって来た。
そのとき思ったことをそのまま言うしかないのだが、振り返ってみれば、昔はそうではなかった。
「良いことを言わなければいけない」「ちょっとかっこいいことを言わなければならない」と思い、段々順番が近づいてくるにつれ、緊張していたのを思い出す。
即ち、「自分が」「まわりから」どう見られるかが気になったのである。
よって、そのコメントは、「自分向き」か「出席者向き」だったのだ。
そもそもが臨床や福祉の現場でのカンファレンスやミーティングでのコメントなのだから、それが患者さん、メンバーさんに資するものであるかどうかが一番重要なのに、かつての私のコメントは「患者さん向き」ではなかった。
「自分向き」の「保身」のコメントか、「出席者向き」の「評価目当て」のコメントだったのである。
どっちを向いて、誰を向いて、仕事をするのか。
これは基本中の基本である。
そして改めて「患者さん向き」のコメントを心掛けるようにしたら、コメントすること自体が楽になった。
患者さん、メンバーさんにとって何が良いのかだけを考えれば良いのだから、することがシンプルである。
それでも、コメントの内容に出来・不出来があるかもしれないが、少なくともコメントする「姿勢」はしっかりと定まった。
これは是非みなさんにもお勧めしたい。
患者さんよりも「自分」の方が、「出席者からの評価」の方が大事になったら、支援者としておしまいである。
いつも原点に戻りましょ。